【考察】スマホアプリは日本のゲーム産業を衰退させたかもしれない5つの理由

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【考察】スマホアプリは日本のゲーム産業を衰退させたかもしれない5つの理由

最近、ゲーム業界は元気がありません。

特にスマホアプリに対する依存度が高いゲーム会社の多くが赤字になっていますし、これから2、3年はこのように厳しい状況は続くと思われます。

なぜなら、赤字で厳しいから将来に対する投資をゲーム会社は絞りつつあるからです。

投資を絞るということは、投資する場所を最適化するという健全な見方もできますが、裏をかえせば、リスクを回避してチャレンジしないということです。

チャレンジを辞めた時点で会社も、業界も緩やかに死んでいきます。

(これはゲーム業界に限った話ではないですね)

そんな厳しいゲーム業界になってしまった原因は何のか?というのが今回のテーマです。

今回、その原因と考えられる5つをピックアップして、独自考察しました。

(あくまでも勝手な独自考察なので、ネタ程度、参考までに聞いてみてください)

【目次】

スマホアプリが日本のゲーム産業を衰退させたかもしれない5つの理由

①ガチャ依存、売上最優先思考

②ゲームの面白さにこだわれない環境

③ハイエンドゲーム開発からの撤退

④資産にならないゲーム開発

⑤ゲームに対するモチベーション低下

①ガチャ依存、売上最優先思考

ガチャはゲームの面白さそのものではなく、射幸心を煽るものです。

そして、ゲームの面白さとは、ユーザーの喜怒哀楽、ゲームを通して強大な敵や難解なステージをクリアするなど、耐えた後に待っている快感との引き換えに実感できるものです。

わかりやすい例をあげるならば、最近PS4で発売された「デスストランディング」

あまりにもゲーム難易度が高く「死にゲー」と呼ばれている「ダークソウル」「SEKIRO」などは、そのゲームに耐えて、何度もリトライした結果、得られる達成感がゲームの面白さです。

歴史を辿ればスーパーマリオはその代表例です。

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という話をすると ガチャにもゲームとしての面白さがある

という話を頂いたりするのですが、ガチャがゲームアプリの売上の9割以上を占めている時点で、ガチャでしかお金を貰えない状態なのですから、この意見には、あまり説得力はありません。

本当に面白さに自信があるならガチャ課金をやめ、売り切りのダウンロード販売にすれば良いのですが、それでは売上がつくれないのは紛れもないのも事実です。

ガチャはゲームの根底にある

「耐え忍んだ結果得られる快感」と相反するものであり、「耐え忍ばずショートカットして時間を節約するもの」と言い換えられます。

よって、ガチャを使い続ける限り「デスストランディング」や「ダークソウル」「スーパーマリオ」を超えるゲーム本来のの面白さは作りにくいと思います。(そこを作れたら新しい発明者になれるほど、現時点では大きな課題です)

 

②ゲームの面白さにこだわりにくい環境

タイトル名は違うのに、実際に遊んでみたら、多くのスマホアプリが同じようなゲーム性で、ゲームとしての違いがわからない、ということはありませんか?(結構ありますよね)

・ヒットしたパーツをそのまま持ってきて組み合わせで新しいゲームが作られる

・ただし、見た目のキャラクターを変えて見せ方は変える

というのが現在のスマホアプリの実態です。

よって、ひとつ革新的なヒットタイトルが生まれると、それに似せたゲームが大量に配信されるという状態です。

ゲームというより、ゲームのような顔をしたwebサービスを展開しているようなイメージに近いかもです。

そんなことはない!

という意見もあると思いますが、実際に「ガワ替えアプリ」が大量に存在しているのは事実ですし、このように思わせてしまう時点で、家庭用ゲームに比べるとスマホアプリは、

ゲームに対する純粋な面白さが欠けている証拠でもあります。

ちなみにスマホアプリの場合、売上に繋がりにくい「ゲームの面白さ」に関わる部分は、「開発費最適化」という名のもと、実装が見送られるケースが多いです。

ですから、家庭用ゲームにあるような無駄に豪華なグラフィックや演出がスマホアプリでは少ないわけです。

しかし、ゲームの面白さって

売上には直結しない無駄なこだわりから作られるのは事実です。

そして、無駄なこだわりがゲームの面白さを進化させてきた歴史も事実です。

これをスマホアプリの場合は売上に直接繋がりにくいという理由で削いでいるので、どれも同じようなゲームになってしまうというのもあります。

ゲームクリエイターのわがままや、こだわりが反映しにくい環境というわけです。

③ハイエンドゲーム開発からの撤退

ニンテンドーDSが大ヒットした時に、多くのゲーム会社は儲かるからという理由で、プレイステーション2ではなく、ニンテンドーDSのゲーム開発にシフトしました。

なぜならニンテンドーDSでソフトを出せばそこそこ売れるという夢のような時代がかつてあったからです。

このような時代はファミコン、プレイステーション初期などにもありました。

しかし、これが、そのあとプレイステーション3の時代に切り替わると海外のゲーム開発会社との技術格差を生んだ原因のひとつです。

ニンテンドーDSで培った技術は、プレステ3には転用しにくいというわけです。

そして2013年あたりからスマホアプリが大ヒットし、家庭用ゲームをつくっていた国内ゲーム会社は、さらにスマホアプリにシフトします。

なぜならスマホアプリが凄く儲かったからです。

プレステ3やニンテンドー3DSのゲームを売って得られる何倍もスマホアプリが儲かるし、パッケージ売り切りゆえに、その瞬間しか売上が立たない家庭用ゲームソフトに比べると、スマホアプリは運営型のゲームビジネスなので継続的に売上があがるわけで、これはビジネス観点では仕方ない話しです。

しかし、ここで海外のゲーム会社との技術格差は、さらに広がりました。

その結果、日本のゲーム会社で海外と戦えるゲーム会社はかなり減りましたし(まだちゃんと戦える会社があります安心してください)、かつて海外で戦えていた開発会社も、技術的、金銭的にも、もう戦えないことをわかっています。

例えばグランドセフトオート5のようなゲームは技術的、金銭的にも絶対に作れません。

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④資産にならないゲーム開発

家庭用ゲームは1本完結型なので、そのストーリー自体には終わりはあります。ただしシリーズ的には続編を発売し続ける限り終わらないので、マリオやドラクエ、ファイナルファンタジーのように形を変えながら次の世代に受け継がれていきます。

一方で、スマホアプリは必ず終わりがあります。

なぜなら、スマホゲームはゲーム運用型ビジネスですし、事業的に苦しくなればサービスを閉じなければなりません。5年、6年続いているゲームなら素晴らしいくらいで、半年、3ヶ月を経たずサービス終了するゲームもあります。

いま大人気のスマホアプリも、世代を超えて語り継がれていく状況を作らない限り未来がありません。

つまり必ず終わりがあるゲームには未来がありません。

終わりがくれば、それまで積み上げてきた資産も価値を失います。

厳密にはプログラムは資産として残りますが、そのタイトルの存在価値は、サービス終了と共に限りなく失われます。資産にならないゲーム開発は、短期的には利益をもたらしますが、それに甘えていると、そのゲーム会社に未来はないのです。

つまりスマホアプリ依存はゲーム業界の未来も危うくしますし、そのゲーム会社の未来を作る資産にならない事に対して、ヒトやお金を投資しているというわけです。

⑤ゲームに対するモチベーション低下

必ず終わりがあるゲーム作りに関わっていると、モチベーションはそれほど上がりません。なぜなら自分たちの子供の世代に

「パパってマリオを作ったんだよね」

と記憶や歴史に残るような仕事がスマホアプリでは難しいからです。なぜなら④の部分でも触れたとおり、スマホアプリは必ず終わりがあるゲームだからです。

これは、ゲームによる作り手におけるモチベーションを著しく低下させます。

とはいえ、

こんなに厳しい現実でも、ゲームを作りたくて、ゲームを作り続けている人もたくさんいます。しかしスマホアプリの台頭はゲームをビジネスとして考える人をゲーム業界に取り込んでしまいました。

どういう事かというと

ゲーム開発をしたこともない、わからない人がゲームプロデューサーを務めるような状況を許してしまい、その結果、そのプロデューサーの下で、本気でゲームを愛し、ゲームを本気で作りたい人がゲーム作りをしなければならない。

そんな状態がモチベーションを下げているのは事実です。ゲームの面白さも当然、プロデューサーがジャッジします。売上思考のジャッジはできても、面白さについてジャッジは困難なわけです。このような状態はゲーム業界の発展を考えると悲しい話です。

まとめ:スマホアプリがこれから進むべき道

なんか、悲しい話ばかりになってしまいましたが、これら5つの原因がここ10年の国内ゲーム産業を衰退させ、海外のゲーム会社との格差を生んでしまった可能性は否定できません。

ゲームのように過去は巻き戻せないので、これからどうするかという話しをしましょう。

現実思考で考えると、この状態からすぐに脱却するのは不可能です。

なぜなら、多くのゲーム会社がスマホアプリに会社としての売上利益の大部分を依存しており、その売上はガチャによる課金システムにほとんど依存しているからです。

よってガチャを止めるということは、ゲーム会社の死活問題になります。

しかしガチャに変わる売上に繋がる方法がまだ確立されていません。(最近はサブスクリプション課金という方式も各ゲーム会社で模索中ですが、ユーザーの射幸心を刺激するガチャは強力なんですね)

ならば何ができるのか、という前向きな話しを最後にしましょう。あくまでも筆者の独自考察なので、これが正しい方法かはわかりませんが、次のような道を模索することで現状は少しでも改善し、将来のゲーム業界の発展に貢献できると思います。

・ガチャによる売上比率を少しづつ下げていく努力をする

・ゲームの面白さに真剣にこだわれる環境をつくる

・スマホアプリ以外もゲーム開発にチャレンジする(PS4やニンテンドースイッチ等)

・ゲームを愛する人がゲームをつくる

なんか実現性が低い理想論ばかりあげているように聞こえるかもしれませんが、これを真剣にやる必要があると思っています。ただし、普通に考えると実現ハードルはかなり高い話です。

なぜなら当事者が変えようという意識がないと変わらない話ばかりだからです。

しかし、2020年、変われないゲーム会社は自然淘汰されていくと思っています。そのくらいスマホゲームアプリに依存したゲーム会社は耐え時だと思うのです。

でも、過去のゲームの歴史を振り返っても「自ら変われない会社」って、自然淘汰されてきたので、単純に時間が解決してくれる話かもしれませんね。

今回はいつもとちょっと違った考察系の話になりましたが、

これを読んでみなさんはどう感じましたか?

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